私の空き家再生物語〜奇跡のはちどり食堂のはじまり その0〜

9年前、私は海の近くの古民家ではちどり食堂を始めました。


はちどり食堂の始まりは奇跡の連続でした。

そして、オープンしてからも想像を超えた奇跡の連続でした。


一軒の物件との出会いからたくさんの奇跡の物語がはじまっていきました。




私の空き家再生物語〜奇跡のはちどり食堂の始まり〜




この奇跡の物語が始まるきっかけは一冊の本から。

「ハチドリのひとしずく」


南米の先住民に伝わる小さなお話しです。


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あるとき森が燃えていました

森の生きものたちはわれ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは

いったりきたり

くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは

火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て

「そんなことをしていったい何になるんだ」

といって笑います

クリンキディはこう答えました


「私は、私にできることをしているだけ」


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この一冊の本が、私の人生を大きく変えました。



この本と出会った時は約14年くらい前、結婚生活がうまくいかず、別居していた時です。


誰かの役に立っている自分でないと居場所を失う気がして必死に働いていたけどどうにもうまくいかなくて家を出たものの、店を離れ誰の役にも立っていない自分に虚しさを感じていました。

早く誰かの役に立ちたい。

早く誰かに認めてもらえる仕事がしたい。

そう思ってモヤモヤしていました。

世界の大きな問題ばかり見ていて

何もできないと嘆いてばかりいました。

世の中の問題にすごく腹を立てたり

この頃はいつも怒りの矛先を誰かに向けていました。



そんな私にこのお話しはとても大切なことを教えてくれました。


「特別な何者かにならなくていい。私は私にできることをする」



この本と出会い、私はもう道に迷わなくなりました。



私にできることをやっていこう

そして私はいつか自分のひとしずくを落としていく「はちどり食堂」をやりたいと思いました。



2006年夏に離婚をして、その直後から怒涛の流れがやってきました。


急に田舎暮らしがしたくなったのです。


体調を壊して食事も生き方もガラリと変わり、田舎で畑をやりながら暮らしたいと思いました。


でも、一人で田舎暮らしをすることに不安がありとても悩みました。


生まれは愛知県の田舎ですが、生活は便利な街でした。

20歳の時東京に出てきて世田谷で3年同棲をして、23歳の時に結婚して千葉にある旦那の実家の食堂を一緒に継ぎました。

お店は東京に近い場所で千葉の中でも都会でした。

20歳から都会暮らしを15年以上してはじめての田舎暮らしが一人なんてとっても不安でしたが千葉の九十九里あたりをウロウロして物件を探し始めたら最高に一目惚れする物件を見つけたのです。


新築一軒家 

自然素材でできたかわいい山小屋のようなお家

間取りは1LDK

庭は40坪

家賃は50000円


ドンピシャな家を見つけちゃいました。

絵のレベルが、、、、、(笑)



想定していた場所よりはるかに田舎で少し迷いましたが

でも海は近くて、最高の家でした。


不安はたくさんありましたが、ここで暮らすことにしました。


車を買って、仕事を決めて

すべてがスムーズに進んでいきました。



引っ越し前は田舎暮らしにすごく不安を感じていましたが、引っ越しをしてみたら不安に思っていたことなんて何も問題なくてただただ気持ちよくて毎日が幸せでした。


引っ越しをした最初の頃は千葉駅前にあるデパ地下のお惣菜売り場でバイトをしていました。


車で大網駅まで30分、そこから千葉駅まで電車で30分

合計1時間の通勤で仕事に通っていました。



仕事は都会、暮らしは田舎と最高のライフスタイル



そんな暮らしを満喫していましたが、また突然動き出したのです。



私が家を借りていた不動産屋さんがとても変わっていて、不動産ですがいろんなことをしていたのです。

そのひとつが「ワンディシェフレストラン」

会社の2Fがレストランになっていてシェフが日替わりで変わります。

そのレストランに食事に行った時、偶然社長がいて一緒の席で食事をいただきました。

とても気さくな女性社長でいろいろと話していたら


「あなた、ここでシェフやらない?」


と言われたのです。



私はすぐに「やります! やりたいです!」と答えました。



週に一度、私のレストラン


名前はもちろん「はちどり食堂」




はちどり食堂はこんな風にいきなり始まっていきました。




つづく



はちどり計画

空き家再生プロジェクト 空き家を通して人と人をつなぐ 自分らしい生き方を応援する

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